新世代のスター講談師が、自ら解説した待望の手引き書。
2年前の夏、クルマを運転しながらラジオを聞いていると、「ずいぶん変わった人がいるもんだな」と思った。若いのに、講談の世界に飛び込んで9年になるという。なにより声がよかった。深く、心地がよい。 その人、講談師の神田松之丞といった。勘が働き、帰宅してすぐ独演会の切符を予約した(2年前は聞きに行こうと思えば、すぐに聞けたのだ)。 圧倒された。魅了された。その夜、私にとっての「パンドラの箱」が開いた。松之丞の追っかけが始まり、昨年は150席を聞き、今年はそれを上回るペースで高座通いが続いている。 ただし、聞き始めた当初は苦労もした。講談の演目は4000を超えるといわれているが、「今日聞いた話っ...
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