音楽を鳴らす喜びと興奮に満ちた、ミュージカル仕立ての野心作。

文:上野功平

神童。ポップ・ミュージックの世界では、時にそんな枕詞も似合う若き天才が現れるものだが、2016年に『ドゥ・ハリウッド』でデビューを果たしたダダリオ兄弟からなるデュオ、ザ・レモン・ツイッグスは紛れもなく本物だった。ジャンルや時代感覚すら超越したキテレツなバロック・ポップは、エルトン・ジョンやクエストラブ(ザ・ルーツ)らを魅了し、昨年2度に亘って行われた来日公演でも、圧倒的なカリスマ性とテクニックで観衆をノックアウト。彼らが当時まだ10代だと聞いて腰を抜かしたのは、筆者だけじゃないはずだ。 この度リリースされる待望の2ndアルバム『ゴー・トゥー・スクール』は、これまで同様、作詞・作曲からプ...

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