紛争地帯に描かれた一枚の絵に、 アートの真の実力を知った。

現代アートのスーパースター、バンクシー。世界的に有名なのに、その姿は誰も知らない。彼の作品の多くは、壁に落書きをする「グラフィティ」という手法だ。 2年前に上映された『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』は、ネットで予告されたバンクシーのゲリラアートに人々が熱狂するさまや、それを勝手に切り取る若者たち、高価で買い取って、さらに高く売ろうとするギャラリーのオーナーなど、その過熱ぶり!とそれを嘲笑うような、アーティストの視線を捉えていた。“それらすべてがアートである”と感じる、見ていてワクワクするドキュメンタリー映画だった。 そして本作では、バンクシーのグラフィティがベツレヘムという紛争地帯に...

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