何度も生まれ変わって人生をやり直す、不思議な女性を描く物語。
もしもあの時、雨が降っていなかったら、事故は起きていなかっただろう。もしもあの人との出会いがなければ、いまの仕事を選んでいなかったはずだ。人生はそんな分かれ道の連続だが、現実にはひとつの道を歩き続けるわけで、「もしも」は存在しない。 ところが著者は、主人公の女性、アーシュラ・ベレスフォード・トッドがもしも別の道を歩いていればどうなったかを描く。そもそもアーシュラは生まれた時、へその緒が首に巻きついて息がなかった。その日は大雪で医師が到着せず、適切な処置を施すことができなかったのだ。 そこでアーシュラはもう一度生まれ直す。医師は誕生の瞬間に間に合い、へその緒を取り除いてくれた。彼女は、そ...
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