トム・ヨークが新譜で問う、表層だけで生きる者の魂の在処。
間もなく開催される「フジロックフェスティバル’19」に、トム・ヨークがソロのトゥモローズ・モダン・ボクシーズ名義で出演する。個人的には違和感を禁じ得ない光景なのだが、近年の彼のライブでお馴染みとなった、パフォーマンス中は会場中が静まり返り、終わると思い出したかのように大歓声が湧き起こるという、あの不思議な磁場が苗場に作り上げられるのだろう。 それにしても、ずいぶんと遠いところまで来たものだ。いまだレディオヘッド「クリープ」の幻影を追おうとしている自分のようなリスナーは、ファンにとって原始人みたいなものかもしれないが、瞑想音楽とも脳内音楽とも呼びたくなる、こんな異端サウンドの境地にトム...
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