人気の詠み人ふたりが案内する、短歌と俳句、それぞれの世界。

文:今泉愛子

短歌と俳句に興味はあるが、どこから入ればいいのかわからない、という人にお薦めしたい良書だ。  歌人の穂村弘は、エッセイや書評、翻訳などにも活躍の場を広げ、俳人の堀本裕樹は、俳句入門講義や気軽に参加できる句会の開催など、積極的に俳句の魅力を発信している。どちらも自由に活動を続けていて、表現に対する気負いを感じさせない。  そんなふたりが、お題をもとに短歌と俳句を詠む。このお題は、作家の道尾秀介やタレントの壇蜜、装幀家の名久井直子ら50人が考えたもので、「誕生日」や「カルピス」などのわかりやすい名詞から「信じられない」や「四十八」、「忖そん度たく」「安やす普ぶ請しん」、さらに「ぴょんぴょん...

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