少年の姉や級友の心を知った時、改めて涙がこみ上げる。
「この映画、感動するよ」と人に薦めるのは難しい。難病や死、別れなどベタな展開に泣きたい人、繊細な部分を自分なりに見つけて心を締めつけられたい人……と、感動の「需要パターン」はそれぞれだからだ。でも、ごく稀に、あらゆる需要に応える感動作が誕生する。『ワンダー 君は太陽』は、顔に疾患をもって生まれた10歳の少年が主人公だ。初めて学校に通うことになり、クラスメイトや家族との関係が綴られ、しかも主演が『ルーム』の天才子役ということで、ベタな感動は保証される。 しかしこの映画の核心は、そこではない。少年のクラスメイトは、本当はどんな気持ちで彼に接したのか。少年の姉は、弟のことばかりに時間を費や...
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