EU離脱後のイギリスを舞台に、ある老人と女性の友情を描く。

国民投票の結果、僅差でEU離脱が決まったイギリスには、不機嫌なムードが漂っていた。争点のひとつは、移民の存在だ。EU加入により、イギリスは大勢の移民を受け入れることになった。果たして、それは正しかったのか。投票によって国は二分され、国民の多くは疑心暗鬼になった。誰が敵で誰が味方なのかがわからない状況を、受け止めきれない。 主人公のエリサベスは、そんな状況のイギリスで、ひとりの老人を見舞いに行く。ベッドの上で昏睡し続ける101歳のダニエル・グルックは、かつて彼女の隣人だった。 32歳のエリサベスがダニエルと出会ったのは、8歳の時。引っ越した先の隣に住んでいたのがダニエルだ。彼は、エリサベ...

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