資本主義が生んだモンスターと、格差社会とをまざまざと暴く『グリード ファストファッション帝国の真実』

文:細谷美香

【Penが選んだ、今月の観るべき1本】 ファストファッション・ブランドのTOPSHOPを擁していたアルカディア・グループは昨年、経営破綻した。栄華を極めたブランドの裏で、いかに無慈悲なビジネスが展開されていたのか。オーナーのフィリップ・グリーン卿をモデルにした悪趣味な成功者を主人公に、それを皮肉たっぷりに暴いたブラックコメディが『グリード ファストファッション帝国の真実』だ。 マイケル・ウィンターボトム監督は、これまでもマンチェスタームーブメントの栄光と挫折を描く音楽映画『24アワー・パーティ・ピープル』など、実在の人物を題材にした作品を手がけてきた。監督は今回の映画について「...

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