人気フォトグラファーが著した、 ツッコまれる側の人生哲学。

文:内藤 順

俯瞰的に世の中を眺め、面白そうなものとそうでないものを選別し、周囲の人間にシェアする。一億総ツッコミ時代と言われるほど、情報の流れ方が大きく様変わりするなかで、ひとつの問題が生じ始めている。それは、ボケ役――つまりツッコまれる側の人材が圧倒的に不足しているということだ。  著者のヨシダナギは、いま最も求められるこのスキルを「拾われる力」と表現した。彼女自身、この能力をもってアフリカの少数民族と仲良くなり、撮った写真を引っ提げてテレビに出演し、一躍有名人になっている。  これだけ聞くと、とことんアクティブな行動派の女性がイメージされるかもしれないが、決してそんなことはないから、世の中...

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