愛だけでは治らぬ依存症の現実、子どもと一緒に見てほしい。
アメリカではちょっとした親への反抗心や現状への不満からドラッグに走る子どもは少なくないが、ある確率で恐ろしい依存症に陥ってしまう。 治療施設のしつらえが私のアメリカ留学中を思い出させるほど細部までつくり込まれたこの作品は、依存症との戦いをリアルに描いたものだ。 美少年のティモシー・シャラメが、堕ちていく少年の葛藤を見事に演じている。ときに親を騙し、周囲を裏切り続ける。その一方で、ドラッグをやめたい気持ちは人一倍ある。でも、その意思が壊される病気が依存症なのだ。 父親はもちろん彼をなんとかしようとする。しかし病気の本質がわからないうちは意志の力で治ると思い、当たり前の叱責をしてしまう。愛...
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