英国の“白い文化”を罵倒しつつも、“かつての英国”を継承したバンド「ファット・ホワイト・ファミリー」
“イングリッシュネス(英国らしさ)”を巡って、今イギリスは揺れている。ブレグジットの背後にあるのも、“かつての英国”と“これからの英国”との対立と言えなくもない。 2013年にデビューしたロンドンのバンド、ファット・ホワイト・ファミリーの新作、『サーフス・アップ!』は“イングリッシュネス”満載だ。「デブの白人家族」という自虐的なバンド名もさることながら、彼らの音楽は、由緒正しき英国ロックのDNAが満タンに詰まっている。もちろん紅茶でも王室でも田園風景でもない。たとえるならプライマル・スクリーム、ハッピー・マンデーズ、ジーザス・アンド・メリー・チェイン、ストーン・ローゼズ……。アメリカの...
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