隠れた人気アーティストが放つ、日本を舞台に編んだ意欲作『プレイ.メイク.ビリーブ.』。

文:栗本斉

【Penが選んだ、今月の音楽】 オルタナティブ・ヒップホップの雄、タイラー・ザ・クリエイターが2019年に発表した傑作『イゴール』はとても衝撃的だった。なぜなら山下達郎の楽曲がサンプリングされていたからだ。全米1位となりグラミー賞まで獲得した作品が、多少なりとも日本の音楽と関連していることに、音楽ファンならちょっとした興奮を覚えてしまったのではないだろうか。 タイラーはオッド・フューチャーというヒップホップ・クルーを率いているのだが、そのクルーに以前在籍していたブランダン・デシャイが、なんとエース橋本という日本名でアルバムをリリースし、さらなる衝撃を与えてくれた。彼はマック・ミ...

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