文系人間にこそ知ってほしい、暮らしと数学との分かち難い関係。
「数学なんて、なんの役に立つの?」 本書は、この疑問を解消できないまま学生時代を終えた人たちにこそ読んでもらいたい。足し算、引き算、掛け算、割り算の必要性までは誰もが納得している。消費税込みの値段や飲み会での割り勘には欠かせない知識だ。 しかし、球の体積を求めることは、生活の中でいつ必要になるだろうか。素数や数列の理解が必要になるシーンなんて、理系の専門職でもない限り、なかなか想像することができない。 30代のフランス人数学者である著者は、そんな私たちの戸惑いに答えるべく、数学は太古から人間の生活に切り離せないものだったことを紹介する。石器時代の土器に記された模様をパターンで分類し、羊...
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