スピルバーグがいま伝えたい、「報道の自由」というメッセージ

文:壬生智裕

2017年、アメリカで共和党のドナルド・トランプ政権が誕生して以来、多くのハリウッドセレブたちがトランプに「ノー」を突きつけてきた。  熱心な民主党支持者である本作監督のスティーヴン・スピルバーグ、俳優のトム・ハンクス、メリル・ストリープらもそのひとりである。それゆえに彼らがタッグを組んだ最新作のテーマが、「報道の自由」というのは、決して偶然ではないはずだ。  1971年、ベトナム戦争の戦死者が増加の一途をたどっていた時代。なぜこの戦争は泥沼化したのか……? 国防総省が調査・分析したベトナム戦争に関する文書は、7000枚もの膨大な量に膨れあがっていた。  そんな歴代政権にとっての...

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