出版界で繰り広げられる、先読み不可能なミステリー『騙し絵の牙』

文:細谷美香

【Penが選んだ、今月の観るべき1本】 次期社長の座をめぐって権力争いが勃発した老舗出版社。専務によって改革が進められる中、廃刊のピンチに陥った雑誌の編集長が起死回生の策を実行に移す。原作は『罪の声』が映画化されて話題を呼んだ塩田武士が、大泉洋を主人公に据えて書き下ろした同名ミステリー。文芸誌やカルチャー誌の裏側を舞台に、大御所作家や若手作家、消えた作家までも巻き込んで描かれる、先読みできない出版エンターテイメントだ。 世界の映画賞を続々と受賞、韓国系移民を描く話題作『ミナリ』。 アフガン紛争で最も過酷な、米軍対タリバンの戦いを描いた映画『アウトポスト』 ...

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