ニューヨークの出版社が示した、本と読者の新しい関係。

出版ビジネスは、今後どんな道をたどるのか。多くの出版人が抱える漠とした不安と真摯に向き合った一冊である。1996年にニューヨークでアメリカ文学専門誌『アメリカン・ブックジャム』を創刊し、現地で取材を続けてきた日本のジャーナリストが、電子本とオンデマンド本に特化したニューヨークの出版社「ORブックス」のオーナー、ジョン・オークスを長期にわたり取材。出版の未来を切り開くためのカギを、彼の実践をもとに明らかにしていく。 オークスはアメリカの出版ビジネスの最大のリスクは返本制度にあると考えた。書店は一定期間内であれば仕入れた本を自由に返本できるが、そもそも一冊ごとに異なる個性をもつ本は売り上げ...

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