弱者に牙をむく社会に、怒りを表したグザヴィエ・ドランの闘い。

子役としてデビューし、19歳で映画監督に挑戦。20代でカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞して、世界的な監督となったカナダの鬼才、グザヴィエ・ドランの新作は、ある俳優の謎の死をめぐる物語だ。 2006年、ニューヨークで人気絶頂の俳優、ジョン・F・ドノヴァンが29歳でこの世を去る。自殺か事故か、その真相は謎に包まれたまま10年の月日が経ち、ルパート・ターナーという無名の若い俳優が一冊の本を出版する。そこにはジョンとルパートの間に交わされた秘密の文通について綴られていた。映画では、少年時代のルパートと、死の直前のジョンの物語が同時進行。ふたつの物語が交差する時、悲劇が起こる。 ドランは8歳の...

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