スラップ・ベースがベキベキ鳴り、音の“新しい波”が打ち寄せる。

メロウなエレクトリック・ピアノ、グルーヴするリズムに絡むベース・ライン、そしてスウィート・ヴォイスで歌われるどこか懐かしい感覚のメロディ。一聴しただけだと1970年代から80年代にかけてのフュージョン・グループやAORシンガーかと思ってしまうのではないだろうか。ルーカス・アルーダの新作『オンダ・ノヴァ』は、ポルトガル語で“新しい波”という意味。このレアグルーヴ的なサウンドにこう名付けるセンスがユニークだ。  ルーカス・アルーダは、今最も注目されているブラジル出身のアーティストである。2013年に発表したデビュー作『サンバディ』で脚光を浴び、その2年後の2作目『ソラール』でDJたちを狂喜...

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