あらゆる境界を超えていけ! 『横尾忠則 HANGA JUNGLE展』で、走り続ける創作の雄叫びを聴く。

文:坂本 裕子

東京・町田市国際版画美術館では、横尾忠則の版画制作の大回顧展『横尾忠則 HANGA JUNGLE展』が絶賛開催中です。 1960年代、アングラ演劇のポスターに妖しさ漂うエロティックな表現で一大ムーヴメントをつくり、先進的デザイナーとして脚光を浴びた横尾は、同時に版画制作も積極的に行い、パリでの青年ビエンナーレ版画部門をはじめ多くの受賞も果たし、国内外で高く評価されてきました。1982年の「画家宣言」の後、ペインティングに注力するようになりますが、併行して版画作品も引き続き制作しています。 現在の新作を含む、ほぼ全版画に相当する約230点に、ポスター約20点を加えた250点強の版画で...

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