昨冬パリを沸かせた謎の画家、ヴァロットン展が日本へ。

なんともミステリアスな画家、フェリックス・ヴァロットン(1865~1925年)の日本初の展覧会が、6月14日から三菱一号館美術館で始まります。スイスに生まれ、後にフランスに帰化したこの画家について、ボナールらナビ派と交流し活躍したということのほか、ヨーロッパでもとりたてて語られることはありませんでした。ところが、昨年10月パリでヴァロットンの大回顧展が開かれるや、多数のメディアが特集を掲載、にわかに脚光を浴びます。理由は、フラットな色面と単純な描線の下に、人間の心理や虚構が描き出されていて、現代の私たちをもドキリとさせるから。抑制のきいた描写ながら、男女の不穏な空気がぷんぷんする絵画は、...

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