見えないものの楽しみとは? 「うらがわ」展は夏にぴったりのドキドキとザワザワを提供します。

文:坂本 裕子

千葉市美術館は、浮世絵をはじめ、現代アートの質の高いコレクションで知られています。毎年さまざまな切り口で紹介される所蔵品展では、時代を超えて作品が共鳴し合い、新しい魅力を示してくれます。今年はこのコレクション展を「CCMAコレクション いま/むかし」と命名、テーマを「うらがわ」とした展覧会が開催中です。見えないものを指す「うら」にことよせて、目で見る作品で不可視のものを露わにする、ドキドキの内容です。 草間彌生の秀作がインパクトある始まりの1章は「ひとのうらがわ」。水玉や網目に埋めつくされた作品に彼女の内面を感じます。イケムラレイコや内藤礼の静かな画面には彼らの内省の形を観て自己の内...

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