浮世絵の300年にわたる壮大な変遷を、『The UKIYO-E 2020 − 日本三大浮世絵コレクション』で体感。

写真・文:中島良平

太田記念美術館、日本浮世絵博物館、平木浮世絵財団という日本屈指の浮世絵コレクションが一堂に会した壮大な浮世絵展が東京都美術館で開催されている。浮世絵初期の菱川師宣から美人画の喜多川歌麿、さらに葛飾北斎や歌川広重といったスターまでおよそ60名の浮世絵師による455点が前期・後期にわたり集結しているのだ。 展示は「第一章 初期浮世絵」からスタートする。落ち着いた印象の紅色の壁に並ぶのは、菱川師宣や鳥居清倍ら17世紀後半から18世紀にかけて制作された作品。「浮世絵」と聞いて多くの人が思い浮かべるだろう色鮮やかでダイナミックなものからするとおとなしい印象かもしれないが、展示を追っていくと、浮...

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