美術を通して、名随筆『徒然草』を知る展覧会がサントリー美術館で始まります。
『徒然草』といえば、「つれづれなるままに、日ぐらし硯に向かひて……」の冒頭を、学生時代にノートに書いた方も多いことでしょう。鎌倉時代末期、兼好法師によって書かれた『徒然草』は、『枕草子』『方丈記』と並ぶ日本三大随筆のひとつ。この長く人々に親しまれてきた『徒然草』にまつわる美術展が、サントリー美術館で6月11日より始まります。 見どころは近年サントリー美術館の収蔵品に加わった、海北友雪(かいほうゆうせつ)筆の『徒然草絵巻』二十巻。初公開されるこの絵巻は、やさしい色調、穏やかな筆致が目に心地いい名品。思案中の兼好法師など、さりげない描写ながら、スナップ写真のような見せ方も見事です。 『徒...
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