行楽や旅に最適な季節。『てくてく東海道』で北斎と江戸の旅を満喫しよう!
弥次さんと喜多さん、人生の不運を払うべく、厄落としのお伊勢参りに揃って出かけるも、行く先々で騒ぎを起こす珍道中、その滑稽さで大人気となった十返舎一九の『東海道中膝栗毛』は、本にとどまらず、実際の旅ブームをももたらします。そのニーズに乗って作られたのが「東海道五十三次」です。当時、街道が整備され、庶民の生活が向上していたことに加え、空前の旅熱には、文学と印刷技術が大きく寄与していたのです。 「東海道五十三次」といえば、まず浮かぶのが歌川広重ですが、実は彼に先立つこと30年、すでにいくつものシリーズを描いていたのが葛飾北斎でした。むしろ北斎への対抗心を持って挑戦したのが広重であったとも言...
続きを読む