国会議事堂を丸ごと包み込んだ不世出のアーティスト、クリストの回顧展が開催。

文:河内秀子

風景や建築を梱包する作品で知られるアーティスト、クリストが今年5月、85歳の誕生日を前に亡くなった。1962年からパートナーのジャンヌ=クロードとともに計画してきたプロジェクト、パリのエトワール凱旋門の梱包がやっと実現するはずだったのが、コロナ禍で延期に。そのニュースが入って数日後に、息を引き取ったという。ベルリンのパレー・ポピュレール美術館では、彼の代表作の25周年を祝う『クリスト&ジャンヌ=クロード』展が、2020年9月14日まで開催中だ。1963年から2020年までのクリストとジャンヌの軌跡を、70点のスケッチや写真、貴重な初期作品で振り返る。 展示作品の中でも...

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