シルクロードの文化遺産を甦らせる“クローン文化財“の試みを、『素心伝心』展で目撃せよ。
東京藝術大学大学美術館で2017年10月26日(木)まで開催されている、シルクロード特別企画展『素心伝心 クローン文化財 失われた刻の再生』。会場に入ってすぐ、法隆寺の釈迦三尊像を壁画が取り巻く空間に圧倒されます。実はこれ、1949年に焼損した法隆寺金堂壁画と中尊の螺髪などが欠落していた釈迦三尊像を、同素材、同質感で再現・復元した「クローン文化財」なのです。 文化財は、品質を保つには公開せずに保存した方がいい。しかし公開しなければ価値を周知できない、という矛盾を抱えてきました。クローン文化財はそうした問題を解決し、法隆寺では通常見られない像の背中側も360度回って見られるなど、鑑賞の...
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