“自粛明け”の思考と感性を、都現美の『ドローイングの可能性』展で刺激する。
新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために臨時休館していた東京都現代美術館で、『ドローイングの可能性』展が幕を開けた。この企画は「線を核とする表現を現代におけるドローイングと捉え、その可能性をいくつかの文脈から再考する試み」として構想されたもの。 展示は3つのテーマで構成されている。最初が「言葉とイメージ」。1960年代から書の制作と批評を続けてきた石川九楊による現代社会をテーマとする作品から、切り絵で彩られたマティスの挿絵本へと展開する。第2のテーマは「空間へのまなざし」。戸谷成雄と盛圭太という彫刻を背景にもつふたりの作家が、立体的な思考で“線”にアプローチするほか、草間彌生が太平...
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