ルネサンスから印象派まで、画家と同じ条件で撮影する写真家・小野祐次が見せるものとは。

文:Pen編集部

立派な額縁が写っています、絵は黒くてわかりません。かすかに目鼻や衣裳が確認できて、レンブラント?などと思い当たることも。けれど戸惑います。写真家・小野祐次さんの展覧会『Vice Versa – Les Tableaux 逆も真なり―絵画頌』で披露された「タブロー」シリーズは、絵を撮っているのに、絵がいつもとはまるきり異なった姿を見せているのです。「画家が描いた当時と同じ条件に身を置いて撮影する。窓を開け放ち自然光を入れて、人工の明かりを消して撮る」。これが「タブロー」シリーズの条件です。小野さんは着想についてこう説明します。「写真を始めて、パリに渡って、絵画という宝の山を目の前にした時...

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