柳宗悦がデザインした空間を新たに再現。リニューアルした日本民藝館で愛でたい、とっておきのコレクション

文:はろるど

東京・駒場の閑静な住宅地を歩いていると、大谷石と白壁に囲まれた蔵造り風の建物が目に飛び込んでくる。それが暮らしの中の日用品に美を見出し、民藝運動を牽引した柳宗悦によって建てられた日本民藝館だ。本館の玄関横にある小窓で受付を済ませ、重厚な引き戸を開けると、樫の木の大階段のある吹き抜けが待ち構えている。いずれも柳の美意識に基づいてデザインされ、1936年の開館当初をほぼ留めた姿だ。柳の活躍した時代へとタイムスリップした気持ちにさせられるかもしれない。 現在開催中の『日本民藝館改修記念 名品展I』にて公開されているのは、日本の焼きものや沖縄の染織、朝鮮の木工品といった民藝館の優品だ。全てが...

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