暑い夏、怖くて楽しい「地獄絵ワンダーランド」展で、地獄世界の魅力を堪能しましょう!
洋の東西を問わず、宗旨を超えて私たちの心象に根づく「地獄」。そのイメージは豊かな想像力で視覚化され、さまざまな美術にも遺されてきました。 日本では平安時代、仏教の末法思想を背景に源信が著した『往生要集』を契機として、六道輪廻の苦界・地獄へ落ちる恐怖と、それを逃れて極楽往生することが、熱狂的に希求されます。その際に罪人が堕ちる恐ろしい世界を表したのが地獄絵でした。しかし、そこには怖いもの見たさ、残酷なものへの嗜好という、もうひとつの人間の心も反映されて、絵画から彫刻や工芸、現代のマンガに至るまで、まるで見てきたような活き活きとした作品が生み出されます。 「恐怖」と「憧憬」、相対する心情...
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