石内 都40年の軌跡を辿る大規模個展で、濃密で繊細な写真の“肌理(きめ)”を目撃せよ。

文:青野尚子

写真家、石内 都さんが長年暗室を構え、拠点としてきた横浜。その横浜の美術館で、大規模な個展が2018年3月4日(日)まで開催されています。『石内 都 肌理と写真』と題された展覧会の会場には、1977年に初めての個展『絶唱、横須賀ストーリー』を開いて以来40年にわたる石内さんの軌跡と、これからのことを暗示させる作品が並びます。 展覧会は4つのセクションに分かれています。最初のパートは「横浜」。会場に入って最初に『Apartment』のシリーズが目に飛び込みます。特に正面に見えるドアの写真は重要です。この写真から、石内さんの写真家としてのキャリアが始まったのです。 『Apartment...

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