写真は時代の鏡なのか? 東京都写真美術館「いま、ここにいる 平成をスクロールする 春期」展を見に行こう。
写真は時代の鏡であるとよく言われます。東京都写真美術館では、「いま、ここにいる 平成をスクロールする 春期」展が開催中です。佐内正史、ホンマタカシ、高橋恭司、今井智己、松江泰治、安村崇、花代、野村佐紀子、笹岡啓子、9人の写真家を通じて「平成」時代を写真で感じる、そんな展覧会です。彼らは、この時代、いったい何にレンズを向けてきたのでしょうか? 1989年の途中にはじまる「平成」という時代は、経済成長が低迷し「失われた10年」がやがて「失われた20年」と呼ばれ、経済に限らず社会全体に慢性的な「喪失感」が指摘され続けてきました。決して明るいとは言えないどこか空虚なムードが漂うなかで、写真...
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