貴重なコレクションがボストンから来日! 江戸の浮世絵師、鈴木春信の名品を目撃せよ。

文:坂本 裕子

やわらかいけれど鮮やかな色彩、精緻な空摺の技に浮かび上がる華奢で繊細な男女、四季折々の背景の中、若衆や可憐な娘の姿に漂う濃密な色気……。 江戸中期に、 木版多色刷りの浮世絵である「 錦絵」を創始したことで知られる浮世絵師・鈴木春信の作品は、静かで上品な魅力を湛えています。現在、葛飾北斎、喜多川歌麿と並び、最も高額で取引される浮世絵ともいわれる彼の作品は、錦絵完成後、すぐに没したため数が少なく、8割以上が海外で所蔵されています。なかでも質、量ともに世界一のコレクションを誇るボストン美術館から、選りすぐりの作品が来日しています。春信の展覧会は15年ぶり。国内で見られる機会が少ない作品の数...

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