もう行きましたか? 没後半世紀の大回顧展「ジャコメッティ展」。挑み続けた表現への情熱が満ちる空間は必見です!

文:坂本 裕子

究極まで削ぎ落とされ、引き伸ばされた人体像。荒削りなそのフォルムは、しかし確かに人体であり、折れそうに細いのに強固な存在感を持って、周囲の空気を、空間を緊張と静寂で満たします。 作者はアルベルト・ジャコメッティ。1901年にスイスに生まれ、フランスで活躍した20世紀を代表する彫刻家のひとりです。彼の11年ぶりの大回顧展が、六本木・国立新美術館で開催されています。 パリ、チューリヒのジャコメッティ財団と並び、世界3大ジャコメッティ・コレクションで名高いマーグ財団美術館の所蔵作を主体に、国内作品を加えた彫刻、油彩、素描、版画など132点は、初期から晩年まで、各時代の代表作揃い。質量ともに...

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