「不染鉄」をご存知ですか? 没後40年、東京初の回顧展で、写実と幻想の日本画の世界を堪能しましょう。
不染鉄(ふせん てつ)、本名哲治(のちに哲爾に改名)。明治末から戦後昭和期に画業を遺すこの日本画家は、その稀有な経歴から、一部の愛好家の強い支持はありながら、多くは謎に包まれてきました。 20代初めに日本芸術院の研究会員になるも、孤独感から、新妻を連れて伊豆大島・式根島へ赴き、漁師として3年を過ごします。その後、京都市立絵画専門学校に入学。その画力は、首席卒業の実力を持ち、何度も帝展入選を重ねますが、戦中・戦後は次第に中央画壇を離れ、在野の画家として奈良でその晩年まで自由な作画を続けました。美術館での回顧展も21年前に1度きりです。 彼の没後40年を記念して、東京では初めての回顧展が...
続きを読む