「ウフィツィ美術館展」で観る、凛々しくも美しい女神。
ルネサンスを代表する画家・サンドロ・ボッティチェリの代表作といえば『プリマヴェーラ』や『ヴィーナスの誕生』を挙げる人が多いでしょう。しかし、私にとってボッティチェリと言えば『パラスとケンタウロス』こそが真っ先に思い浮かぶ代表作です。半獣半人のケンタウロスの髪を無表情に掴む女神パラスのひたすらに美しく凛々しい姿。学生時代、一人ぼっちの貧乏旅行の最中に出会ったときは絵を眼前にして、しばらくの間、時間が止まったかのように立ち尽くしたのを覚えています。そんな『パラスとケンタウロス』が日本で見られるというのだから、昔の恋人と久しぶりに待ち合わせているかのように、ついつい浮き足立ってしまいます。 ...
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