1冊をひとりで手がける、ブックアートの開拓者
コンテンツの企画からデザイン、制作に必要な印刷や製本の工程にいたるまで、すべての作業をひとりのアーティストが手がける「ブックアート」。本をメディアとして使った芸術表現のひとつとも呼べるものに太田泰友が出合ったのは、大学院時代のこと。これから将来、どのように本と関わるべきかを模索していた時だった。 「プロダクトデザインを志望して日本の大学に入りましたが、ブックデザインの世界を見るうちに本づくりへと興味が移りました。でも学科の中のグラフィックデザインの領域では自分の特徴が生きないと感じていたんです。ちょうどその頃に開催されていたブックアートの展覧会を見て、新しい可能性を感じました」 ...
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