“いま”という時間を、多角的に表現するラッパー
「年々、自分の作品や活動をどう説明していいかわからなくなっています」 環ROYはラッパーである。しかし、彼の活動のあり方はパブリックイメージとしてのラッパー像とは一線を画し、実に多岐にわたる。多種多様なビートの上で自由闊達に躍動するフロウ(ラップにおける節回し)と同様に、環が自身のアーティスト性を投影するフィールドはオリジナル楽曲や通常のライブのみならず、アートギャラリーなどで発表するインスタレーション作品およびパフォーマンスアート、広告音楽の制作など、なにものにも束縛されていない。ただひとつ、環がクリエイトするすべての作品に通底しているのは、言葉と音楽と人間をめぐる、コミュニケーシ...
続きを読む