見えるもの以外の何かを、
画づくりに込めたい。

妻夫木聡をはじめ、日本映画界を牽引する俳優を揃えて、直木賞候補にもなった人気ミステリー小説を映画化した『愚行録』。これほど大きなプロジェクトに、この作品が長編デビュー作となる若き才能が抜擢されたことは、事件と言っていいかもしれない。石川慶監督は東北大学物理学科を卒業後、ロマン・ポランスキーらを輩出したポーランド国立映画大学に進学したという、異色の経歴の持ち主だ。 「両親が映画好きで、子どもの頃は留守番の間に『ブリキの太鼓』とかを観させられていました。いつか自分でも映画をつくる側に立ちたいと思っていたんです。興味があった物理学科を選びましたが、映画を学んでみたいと、ヨーロッパの映画を志...

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