石岡瑛子のレトロスペクティブで、果敢に挑んだ“感情のデザイン”に圧倒される。

文・川上典李子(エディター/ジャーナリスト)

【Penが選んだ、今月のアート】 石岡瑛子が資生堂宣伝部での活躍を経て自身のデザインスタジオを設けたのは、1970年。服を着る人のありようそのものに目を向け、「裸を見るな、裸になれ」とのコピーとともに女性の裸を示したパルコの広告キャンペーンをはじめ、鮮烈なメッセージのアート・ディレクションで注目を集めた。 ショーのアート・ディレクションも手がけ、グレイス・ジョーンズも登場したイッセイミヤケのショーも歴史に残る出来事だ。既存の概念から解放された女性像を描き、民族、文化の違いを超えて新しい時代を示した作品の数々。果敢に社会を変革した表現は、時を超えていまの私たちも刺激する。 80...

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