自然の「叫び」を描き出した画家。

近年、印象派の後に続く世代、ポスト印象派ともいえる画家たちにスポットライトが当てられている。たとえば、オルセー美術館での回顧展が話題となったピエール・ボナールや、20世紀初頭のフォーヴィスムや表現主義の先駆者として独自の色彩感覚を発揮し、世界的に有名な「叫び」を描いたエドヴァルド・ムンクなどだ。そのムンクの代表作である『叫び』を含む約100点の作品で構成された大回顧展が、東京都美術館で開催されている。   ムンクは1863年、ノルウェーの聖職者や知識人などを輩出した由緒ある家系に生まれた。彼は幼い頃から病弱で、母や姉の死を少年時代に経験する。「病と狂気と死が、私の揺りかごを見守る黒い天...

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