芸術家・マックィーンを知る、初の回顧展。

文:宮田華子

アカデミー賞作品賞を獲得した映画『それでも夜は明ける』の監督であり、イギリスを代表するアーティストとして知られるスティーヴ・マックィーン。新年の叙勲でナイトの称号を授与されたことも話題だが、時を同じくして彼の25年にわたる現代アーティストとしての活動に焦点を当てた展覧会がテイト・モダンにて開幕した。 初期作品『エクソダス』(1992/97年)、アフリカの活動家の足跡を追った『エンド・クレジット』(2012年~)など、主にアートスペースで発表された映像、写真、彫刻14点を取り上げる。社会と時代を厳しい眼差しで見つめ、製作された作品の数々に、見る側は彼の深い心の内と対峙し、親密な会話をして...

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