自伝的展示で知る、横尾作品の「核」。

文:赤坂英人

【Penが選んだ、今月のアート】 横尾忠則は1960年代からグラフィック・デザイナー、イラストレーターとして時代の先陣を切る存在として活躍。80年代には「画家宣言」をしてデザイナーから芸術家へと転身した。自身の活動領域を広げた彼は、いまや日本の現代美術界を代表するアーティストのひとりだ。このほど東海地方の美術館では初となる、大規模個展『GENKYO 横尾忠則』展が開催。 「原郷から幻境へ、そして現況は?」というサブタイトルが付くその展示内容は、自伝的エピソードや記憶がテーマとなる作品も多い横尾の全面協力による「作品による自伝」である。 初期のグラフィック作品から、60年代のア...

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