火炎放射器を搭載した、火を噴く犬型ロボット販売へ

  • 文:山川真智子

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アメリカの企業が、史上初となる火炎放射器を振り回すロボット犬を開発した。様々な使い方が提案されているが、悪用の心配や、事故の原因となる危険性も指摘されている。ソーシャルメディアではかなりのつっこみが入っており、話題の商品となっている。

テクノロジー満載 でも用途不明… 

USAトゥデイ紙によれば、このロボットは『サーモネーター』と名付けられており、米クリーブランドに本社を置く、火炎放射器の製造販売で知られるスローフレーム社が販売している。

サーモネーターは最大約1.5メートルの炎を放つことができ、Wi-FiとBluetooth接続が可能で、バッテリー持続時間は1時間だという。遠隔操作で火炎放射が可能で、LiDar(光を用いたリモートセンシング技術)マッピングを使用して標高データを入手。レーザー照準器を備え、障害物を回避することができるという。

お値段のほうは、1体9420ドル(約150万円)。科学技術系ニュースサイト、アルズ・テクニカによれば、「山火事の制御と防止」「農業管理」「生態系保全」「除雪と除氷」「エンターテイメントとSFX」が用途として提案されているという。USAトゥデイ紙は、いずれの用途についてもそのやり方は説明されていないと述べている。

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危険?面白い?…ネットのコメント盛り上がる

この商品に対する反応は様々で、ジョークにする人もいれば懸念を示す人もいる。サーモネーターは、民間および政府機関向けに販売されているが、ソーシャルメディアでは「火を噴くロボットを一般大衆に売ることを、いったいだれがいいアイデアだと思うんだ?」という意見があった。これに対し「政府に売ろうとしていることのほうが問題だろう」「むしろ消火器付きのほうが役立つのでは?」というコメントがあった。

火炎放射器付きのロボット犬ということで、「放火ロボになるのが心配…」「国境問題解決!」「ホットドッグと呼びたい」「猫は家に入れておこう」などのジョークでコメント欄は盛り上がっている。

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銃器ではない 火炎放射器は米で合法 

そもそも火炎放射器は合法なのかという疑問が沸くが、実はアメリカではメリーランド州以外は基本的にどこでも合法で、連邦政府機関では銃器とはみなされていない。もっとも、火炎放射器は物も人も簡単に燃やしてしまうことができるため、くれぐれも今年のクリスマス・プレゼントとして、子供たちには贈らないようにとアルズ・テクニカは述べている。

デジタル・メディア、スーパーカー・ブロンディは、かつてイーロン・マスクが自身のトンネル採掘会社から火炎放射器を発売したことに言及。世の中には何のためにあるのか理解するのが難しい商品で溢れていると述べる。結局のところ、今回のような商品は、技術が世界に広がっているという事実の副産物であり、単に楽しむために生まれた技術系ガジェットの1つだとしている。

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火を噴くサーモネーター。

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火力もかなりのもの。

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 昼夜問わず、歩行も自在。