スマートフォンの画像を見ながら、アメリカの歌手リアーナの肖像画を作成しているのはフィリピン人アーティストのJesstoni Garciaだ。独特のタッチでリアーナの輪郭や目鼻立ちの陰影を見事に表現しているが、実は使用している「画材」のユニークさと画の精巧さで話題を呼んでいる。
Jesstoni Garciaは、フィリピンのマニラでヘアサロンを共同経営する傍ら、クルーズ船の船員として長い時には8カ月も洋上で過ごす生活をしている。幼少期から肖像画を描くのが好きで、学校の教師全員の肖像画を描いたことがあるという。
Jesstoni Garciaによると、肖像画を描くことは、船上生活で非常に重要なストレス発散方法なのだという。そんな彼だが、2021年に航海中に肖像画を描くために必要なペンやスケッチブックなどの素材が手に入らなかったことから、散髪後の自分の髪を使って絵を描くことを思い立った。当初は自画像を描いていたが、そのうちに好きな俳優やミュージシャンの肖像画を描くようになったという。
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制作途中に頭髪を剃ることも
彼は細かく切った髪の毛、細い筆と透明で粘着性のある樹脂を用いて作品を制作する。真っ白なキャンバスに集めた毛束を散りばめ、細い筆で2~5時間かけて制作対象のミュージシャンや俳優の顔に配置していくのだという。制作途中に髪が足りなくなると、自分の頭髪を剃ることもあるそうだ。
髪の毛で作品を作り始めたのは2021年からだというが、現在は作品をどううまく保存していくかで試行錯誤を繰り返しているそう。ゆくゆくは依頼を受けて作品を制作するアーティスト活動を行っていきたいと考えているという。
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【動画】髪を使ったアートの制作風景
決められた素材やルールはなく、そこにあるもので偶発的に生み出され磨かれていく、アートの自由さを改めて感じさせられる。